ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2009で計11式のVENUEシステムが活躍

10/06/2009
MSI JAPANの藤井修三氏が語るVENUEシステムの優位性

   

夏を代表するビッグ・ミュージック・フェスティバルのひとつ、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」。音楽評論家であり、雑誌『rockin'on』の発行人としても知られる渋谷陽一氏がプロデュースするこのイベントは、“国内アーティストだけが出演する新しいタイプの夏フェス”というコンセプトのもと、2000年にスタートしました。以降、毎年8月初旬に国営ひたち海浜公園(茨城県ひたちなか市)で開催され、ジャンルやスタイルの垣根を越え、さまざまな層の音楽ファンから多くの支持を集めています。節目となる10年目の今回は、計7ステージ/出演アーティスト数150組以上という過去最大の規模で、7月31日から8月2日の日程で開催。矢沢永吉やユニコーン、ウルフルズ、Perfumeといった旬のアーティストも多数出演し、来場者は3日間で延べ16万5千人の動員を記録するなど、記念すべき年に相応しい盛大な内容となりました。

そしてFOHのサウンド・システムとして、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」の中核を支えているのが、Digidesign VENUEデジタル・コンソール・システムです。このイベントでVENUEは2006年から使用され始め、今年は6ステージで計11式のVENUEが活躍しました。「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」開始2年目から同フェスティバルの全てのサウンド・システムを手がけているMSI JAPANの藤井修三氏は、「VENUEは、デジタルの恩恵を十分に享受できるコンソール」であると語ります。

MSI JAPANの藤井修三氏
氏曰く「このフェスティバルがスタートした2000年最初の頃は、多くの乗り込みエンジニアの要望に対応するため、まだまだアナログ・コンソールの使用が主流だったのです。メーカー各社からデジタル・コンソールが続々と登場して、我々も本格的に移行を検討するようになりました。しかし、多くのデジタル・コンソールは、デジタルであることのメリットを完全に活かしきれていなかったのです。コンポーネント仕様のデジタル・コンソールであるのに内部エフェクトが貧弱で多くの外部エフェクトを必要としたり、高価であるにも関わらず、入出力をサーフェースに一体化してしまって、結局はアナログ回線を引き回さなければならない仕様だったり、いずれにせよ我々や多くの乗り込みエンジニアの要求を満たすには十分ではありませんでした。しかし、その中で、VENUEだけは可能性が見えたのです。各部が完全にコンポーネント設計であり、SRエンジニアでも知りうるPro Toolsで培われた各社のプラグイン・エフェクトが利用でき、まさにデジタルの恩恵を十分に享受できる仕様になっていました」。

   

「2006年のROCK IN JAPAN FESTIVALでは“GRASS STAGE”の1箇所において3台だけを採用し、慣れないエンジニアのために5台程外部エフェクト(2×DDL、3×REV)も用意しました。しかし年を重ねるごとに使用台数も増えていき、また、乗り込みエンジニアの多くはVENUEを使用した経験が少なくとも一度以上あるというタイミングでしたので、今年はほぼ全てのFOHコンソールをVENUEにし、外部エフェクトも完全に排除しました」。

今回、約5万人の観客に対応する最も大きな“GRASS STAGE”には、24フェーダー仕様のD-Showシステムが3式用意され、それぞれA面用、B面用、バックアップ/事前打ち込み用として活躍。そして約1万人の観客を収容する“LAKE STAGE”、”Sound of Forest”など、その他のステージでは設置スペースの関係も考慮し、Profileシステムが活用されました。

「例年、乗り込みエンジニアさん数人にVENUEの事前レクチャーを行うのが常だったのですが、今年はVENUEを使えないという人はほとんどいませんでした。それだけVENUEもスタンダードになったということでしょう。」と藤井氏は笑います。「私はVENUEのサーフェース・デザインを高く評価しています。一見、普通のコンソールのようですが、よく見ると既存コンソールとはかけ離れた部分が多くある。例えば、エンコーダーの形状とか。丸くて、最初は「何だ!これ?」と思ったのですが、慣れると指先に馴染んでとても使いやすいのです。それにVENUEって、外観が何かカッコイイ。SRコンソールって、客席に設置されて人目につくものなので、僕は見た目も重要だと思っています。いかにも業務用といった無骨なデザインよりも、VENUEのように遊びのあるデザインの方が、何も分からないオーディエンスはカッコイイと感じると思うのです」。



   
さらに“GRASS STAGE”と“LAKE STAGE”では、リリースされたばかりのSC48も活躍しました。「発売開始後すぐに導入して、今回はお披露目的に運営卓として活用しました。エンコーダーの数は減っていますが、操作性は犠牲にされていない印象で、エンコーダー周りのLEDランプは、割り当てられる機能によって色が変わります。暗い現場でも瞬時に識別できるので、とても使い易いですね」。

大盛況のうちに幕を閉じた今年の「ROCK IN JAPAN FESTIVAL `09」。しかし藤井氏をはじめとするスタッフは、早くも姉妹イベントである「COUNTDOWN JAPAN `09 -`10」(12月末、幕張メッセ国際展示場で開催)の準備に取りかかっています。

「私は、コンソールというのは、音を作り上げるための道具の一部だと思っています。決して入力した音をミックスして、そのまま出力するものではない。もちろんアーティストのサウンドが素晴らしく、それを何の加工もせずにミックスして、多くのオーディエンスが満足してくれるのであれば最高ですが、そんなことはほぼあり得ないのです。アーティストが聴かせたいと思う音、オーディエンスが聴きたいと思う音に、我々はコンソールや周辺機材を駆使し、FOHスピーカー・システムと会場の音響特性を十分に考慮して最高のサウンドに仕上げなければならない。音を作り上げるための道具として、コスト・パフォーマンスが高く、プラグイン・エフェクトも満足いくものが十分に使え、トラブルもほとんど無く、Pro Toolsとの組み合わせで新たなビジネス・チャンスも手に入れることができる。それら全てを鑑みた場合、芸術的観点からもビジネス的観点からも、現時点ではVENUEがバランスの取れた最高のコンソールの一つだと思っています」。


ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2009
http://rock-net.jp/fes/09/

MSI JAPAN HD
http://www.msi-japan.com/jp.html