Pro ToolsがリップスライムのDJ FUMIYAをフルカバレッジでサポート

06/15/2009
DJ FUMIYAは、創造性と柔軟性を兼ね備えたアーティストです。リップスライムのDJ/トラックメーカーとして数々のスマッシュヒットを生み出す一方で、ソロによるDJ活動やヒップホップの枠組みを超えた幅広いアーティストとの楽曲制作を続けるFUMIYA氏は、長年使い続けた制作環境をPro Toolsシステム中心の環境へ一新しました。2009年6月10日にドロップされたリップスライムのニュー・アルバム『JOURNEY』において、その全ての楽曲がPro Toolsで制作されています。


DJ FUMIYA
「以前は別のDAWを使用しており、トラックを作る際にオーディオはまったく使用していませんでした。全てのサウンドはMIDIによって外部のハードウェアから鳴らしていました。」と語るFUMIYA氏は、自身の制作拠点であるスタジオ内にヴォーカル・ブースを設置したことを機に、Pro Tools|HDシステムを中心とする環境へ一気に切り替えました。「当時からオーディオを中心にトラックを作りたいと思っていましたし、何よりも以前の制作環境には飽きていました。どこのスタジオに行っても必ずPro Toolsを使用するわけですし、自分自身がPro Toolsを使用できるようになれば、「ここをこういう風にアレンジしたい!」と思ったら、すぐにそれを実行できます。エンジニアさんにも自分の希望を伝えやすくなると考えていました。Pro Toolsはシステムとしての信頼性が高いことも知っていましたし、何と言っても使い方を教えてくれる人が周りに一杯いますからね(笑)」。こうしてFUMIYA氏のスタジオには、Pro Tools|HD 3 Accel、192 I/O、SYNC I/O、MIDI I/Oがインストールされました。

FUMIYA氏は、楽曲制作時に重要視する点として、「閃いたアイディアをいかに素早く具現化できるか」を挙げています。「Pro Toolsに切り替える前は、バーチャル・インストゥルメントなども一切使用していませんでしたので、作業をするための準備にとにかく時間がかかりました。イメージした肝となるリズムや要素を、どれだけ早く形にすることができるかは非常に大切なので、すぐさま作業を開始できるPro Toolsは、自分にとっては最高ですよ。」と、Pro Toolsへ移行したことで得た手ごたえを語ってくれました。

また、当初期待を寄せていたオーディオ中心の作業に加え、FUMIYA氏はPro Toolsシステムにおいてバーチャル・インストゥルメントも活用するようになりました。「布袋寅泰さんと一緒に曲を作った時にはTransfuserを使いまくりましたね(笑)。まだ使い始めて間もない頃で使い方もよく分かっていなかったのですが、何回も何回も試して、いい音が出るまでいじり倒しました。Transfuserは、同じ音が出てこないところがいいですね。もちろん、全部を機械に任せてしまうことは良くないですが、「この部分はTransfuserで!」と決めた部分には集中的に使いました。楽しかったです(笑)」


DJ FUMIYAお気に入りのバーチャル・インストゥル
メント - Transfuser
「パッドやベース、ピアノの音にはXpand! をよく使います。例えば今回のアルバムだと、リズムはサンプリングの音質、つまり、あまり前に出てこなくていいヒップホップ的なざらついたイメージにしたかったので、元となるキック・サウンドに対して、ボトムを薄く足す。そんな使い方もしました。Native Instruments MassiveやBatteryなども使ったりします。エフェクト系のプラグインとしては、Lo-Fiを気に入っていますね。デモの段階では、あまりEQやダイナミクスの細かな設定に時間をかけませんが、TD(トラックダウン)の段階で「このキックはこういう感じにしたい」とか「このリバーブはこう!」という風にイメージがはっきりしていて、TDで必ず反映させたいと思う部分に関しては、デモの段階でも設定を施します。」導入からわずかの期間でPro Toolsによる楽曲制作スタイルを確立したFUMIYA氏は、スタジオ以外においてもPro Toolsシステムを活用しています。ツアーや外出時のモバイル・システムとしてはMbox 2 Proを携行し、リップスライムのライブセットにおいてもPro Tools 8 & 003 Rack+ Factoryを活用しています。

「前回のツアー中盤頃は、ちょうど同時進行でシングルの制作をしていました。別個に部屋を一つ押さえて、リハが終わった後にシングルのアレンジをバッとやって、その場でメンバーのみんなに聞かせたりしましたね。場合によっては(モバイル・システムで)声も録ってしまおうという勢いです。」というように、Pro ToolsはFUMIAY氏の制作活動の、まさに中心的存在として機能しています。「実際には、リップスライムのメンバーはそれぞれ別々にスタジオで作業をすることが多いので、他のメンバーにもPro Tools LEを買うように勧めているんですよ(笑)。Pro Toolsであれば、セッション・ファイルを送るだけで共有できますからね。実は、既に二人のメンバーがPro Tools LEを導入したんです。データのやり取りはDigiDeliveryでやっています」。

また、毎年数多のコンサート・ツアーを行うリップスライムのライブ・ミキシング・コンソールには、Digidesign VENUEシステムが採用されていますが、ライブ面においても、FUMIYA氏がPro Toolsを導入したことによる変化がありました。「VENUEで使用できる大部分のプラグインは、普段自分がスタジオで使用しているプラグインと同じものなので、リハの際に自分がイメージしたものをエンジニアの方に伝えやすくなりました。VENUEの画面はたまにしか見ないんですけど、とりあえず、格好いいですよね(笑)」。

「皆が同じPro Toolsを使っているにもかかわらず、アーティストやエンジニアさんそれぞれの個性が出るというのが、Pro Toolsのいいところ。そのPro Toolsの“(クリエイティブな部分を)使う人に委ねるフラットさ”が、自分にもすごく合っているなと思います」。

リップスライムは、2009年6月13日の北海道厚生年金会館を皮切りに7月22日の日本武道館まで、『RIP SLYME LIVE ON “JOURNEY” TOUR 2009』をスタートし、一気に夏フェスへ突入します。Pro Tools 8がインストールされたMacBook Pro & Mbox 2 Proも共に ”JOURNEY” へ出発します。



   
『JOURNEY』 RIP SLYME
ワーナー:WPCL-30136/7(初回限定盤:CD+DVD)、WPCL-10689(通常盤CD)